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2026.09.08

古着のタグで年代を見分ける方法|洗濯表示で2016年と2024年の線を引く

古着の値段は、ブランド名だけでは決まりません。同じブランドの同じアイテムでも、年代が違えば買取価格が何倍も変わります。では年代はどうやって見るのか。ブランドのタグより先に見るべきなのは、洗濯表示です。

日本で売られた衣類の洗濯表示は、2016年12月1日に記号がまるごと切り替わり、2024年8月20日にも一部が変わりました。どちらも法令で決まった変更なので、付いている記号から製造時期の範囲を絞れます。ブランドごとのタグの通説と違って、根拠が消費者庁の告示にあります。

この方法が使えるのは、日本国内向けに販売された繊維製品です。海外向けの表示や、革製品には使えません。その線引きも後半で説明します。

この記事では、当社が実際に買い取った服のタグを写真で並べながら、年代を絞る手順を説明します。

古着の年代は、どこを見れば分かりますか?

見る順番は ①洗濯表示 → ②表示者名 → ③ブランドのタグ です。この順番に意味があります。①と②は法令にもとづく表示なので根拠がはっきりしていて、③は根拠が曖昧なことが多いからです。

多くの人はブランドのタグから見ます。「このロゴは何年代」という情報がネット上に大量にあるからです。ただしその多くは出典が示されておらず、コレクター間の通説が引き写されているだけのこともあります。先に洗濯表示で範囲を絞ってから、ブランドのタグで詰めるほうが確実です。

服のどこに付いているかは製品によりますが、たいていは左脇の内側の縫い代か、襟の内側です。1枚のタグに組成・洗濯表示・表示者名がまとめて書かれていることもあれば、別々に縫い付けられていることもあります。

洗濯表示だけで、年代はどこまで絞れますか?

3つの時期に分けられます。日本国内向けに販売された繊維製品であれば、記号の形から時期を絞れます。

家庭用品品質表示法にもとづく繊維製品品質表示規程が改正され、2016年12月1日から、洗濯表示が日本産業規格 JIS L 0001 の記号に変わりました。記号の数は22種類から41種類に増え、国際規格(ISO 3758)に合わせた形になっています。さらに2024年8月20日の改正で2つ追加され、現在は43種類です。

時期規格記号の見分けどころ
〜2016年11月30日旧JIS(L 0217)旧JISにしかない形が混ざる。洗濯機の形の記号、ねじれたタオル(絞り方)、シャツの形(干し方)。「手洗イ」「エンソサラシ」「ドライ」「弱」などの日本語
2016年12月1日〜
2025年8月19日
(表示の猶予を含む)
JIS L 0001ISOと同じ記号。禁止を表す×の端が、記号の下辺より下に突き出る
2024年8月20日〜
(2025年8月19日までは
旧デザインと併存)
JIS L 0001(改正)×が下辺で止まる(洗濯禁止・漂白禁止・アイロン禁止の3つ)。手洗いの桶の下に一本線が入る記号(30℃手洗い)、アイロンの下にスチーム禁止が付く記号が使えるようになった

「洗濯桶の中に数字が入っているかどうか」では判定できません。新JISにも桶に温度の数字が入る記号(30・40・50・60・70・95)があるからです。旧JISで桶の形が出るのは「手洗イ」と「水洗い不可」の2つだけで、機械洗いは洗濯機の形で表されていました。ここを取り違えると、新しい服を古いと読み違えます。

ちなみに旧JISの「水洗い不可」(桶に×。記号の中に文字は入りません)は、新JISの洗濯禁止とよく似ています。桶に×が付いているだけでは、どちらの規格か決まりません。同じタグの他の記号を見てください。

実物を見ていただくのが早いと思います。

旧JISの洗濯表示。洗濯桶に「30」と「手洗イ」の和文が入る
旧JISの洗濯表示。洗濯桶の中に「30」、その上に「手洗イ」。右へ塩素漂白の禁止、アイロン、ドライと続く(右下のS18はJISの記号ではなく、メーカー側の記号とみられる)。下に「つけ置き洗いや濡れたままの放置はおさけ下さい」という和文の注意書きがある|当社買い取り品
新JISの洗濯表示。ISO準拠の記号だけが6つ並ぶ
新JIS(JIS L 0001)の洗濯表示。左から手洗い、漂白処理不可、タンブル乾燥(低温)、つり干し、アイロン仕上げ不可、ドライクリーニング不可。旧JIS固有の形も、記号の中の日本語もひとつもない|当社買い取り品

並べると違いは明らかです。洗濯機の形・ねじれたタオル・シャツの形が混ざっているか、記号の中に日本語(手洗イ・エンソサラシ・ドライ・弱)が入っていれば2016年11月以前。上のバーバリーの例は、形ではなく日本語のほうで判定できます。ISOと同じ記号だけが並んでいれば、2016年12月以降とみられます(こちらの向きは確定しません。理由は後で説明します)。これだけで、少なくとも10年単位の絞り込みができます。

×の形で、2024年8月の前後まで分かります

2024年8月20日の改正で、禁止を表す×マークの位置が変わりました。消費者庁の資料では「×マークの位置の微修正」として、家庭での洗濯禁止(100)・塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止(200)・アイロン仕上げ禁止(500)の3つが対象と示されています。

見るのは×の下端です。左右にはみ出すかどうかではありません。ラベルの印字は数ミリしかないので、必ず拡大して下辺を見てください。目視だけだと逆に読み違えます。

  • 改正前(〜2024年8月19日)… ×の端が記号の下辺より下に突き出る
  • 改正後(2024年8月20日〜)… ×は下辺で止まり、底が一直線に揃う

漂白禁止(三角)とアイロン仕上げ禁止では、改正後も×の腕が記号の左右には突き抜けます。「はみ出しているから改正前」と判断すると逆になります。下辺を見てください。

また、この判定が使えるのは洗濯禁止・漂白禁止・アイロン仕上げ禁止の3つだけです。タンブル乾燥禁止(四角に×)やドライクリーニング禁止(丸に×)は、改正の前後どちらも×が外に出るので使えません。

新JISの洗濯表示の記号6つを拡大したもの。漂白禁止とアイロン禁止の×の端が記号の下辺より下に突き出ている
上の写真の記号列を拡大したもの。2番目の漂白禁止(三角)と5番目のアイロン仕上げ禁止で、×の端が記号の下辺より下に突き出している。改正前のデザインである|当社買い取り品

この一着は改正前のデザインでした。ここで経過措置を考慮する必要があります。2024年の改正では、令和7年(2025年)8月19日までに従前の表示を行った製品は、そのまま販売できるとされています。つまり改正前のデザインが使われた期間は、2024年8月19日ではなく2025年8月19日までです。

結論として、この一着の洗濯表示からは「2016年12月1日以降、2025年8月19日以前に表示された」と言えます。約8年8か月の幅です。

ただし上限と下限で確からしさが違います。上限(2025年8月19日)は×のデザインから確定します。一方で下限(2016年12月1日)は「以降とみられる」にとどまります。後述するとおり、海外ブランドが2016年より前から日本向け製品にISOの絵表示を付けていた可能性を排除できないためです。この一着もその条件に当てはまるブランドです。

2024年の改正では、桶の下に一本線が入った手洗いの記号(30℃手洗い・記号111)と、アイロンの下にスチーム禁止が付いた記号(記号511)も新しく加わりました。この2つは改正前には存在しないので、写っていれば2024年8月20日以降と分かります。

なお2016年と2024年では、経過措置の性質が違います。2016年の改正には表示そのものの猶予はなく(施行日前は旧JIS、以降は新JISで表示する)、施行日前に表示された製品の販売継続だけが認められました。一方2024年の改正は、表示自体に1年間の猶予があります。ここを混ぜて考えると1年ずれます。

記号が並ぶ順番も決まっています

新JISでは、洗濯・漂白・乾燥・アイロン・商業クリーニングの5つを、必ずこの順に並べることになっています。上の写真も左から順にそのとおりです。

ただし個数は決まっていません。乾燥はタンブル乾燥と自然乾燥で2つ、商業クリーニングもドライとウエットで2つ入ることがあります。実際、上の写真は6つのうち3番目と4番目の両方が乾燥です。「何番目だからこのカテゴリ」と位置だけで決めつけないでください。順番は変わりませんが、数は変わります。

品質表示の「表示者名」で、さらに絞れますか?

絞れます。家庭用品品質表示法では、繊維製品に 表示者の氏名または名称と、住所または電話番号 を付けることが義務づけられています。この「誰が表示したか」が、年代を絞るもう一つの手がかりになります。

ライセンス契約で日本国内向けに製造・販売されているブランドの場合、契約の期間そのものが年代の範囲になるからです。

品質表示タグの表示者名。株式会社三陽商会と電話番号が印字されている
上の旧JISタグと同じ製品の品質表示。組成のほかに「株式会社 三陽商会 C.R.室 電話0120-340-460 中国製」とある|当社買い取り品

この製品にはバーバリーのブランドタグが付いていました。一方で品質表示の表示者は、英国のバーバリー社ではなく日本のライセンシーである三陽商会です。三陽商会とバーバリーのライセンス契約は2015年6月末で終了しています。後継として2015年秋冬から「ブルーレーベル・クレストブリッジ」「ブラックレーベル・クレストブリッジ」が立ち上がりました。

注意していただきたいのは、「表示者が三陽商会」というだけでは年代は絞れないことです。三陽商会は現在も営業していて、自社ブランドの品質表示には今も同社名が入ります。年代が絞れるのは「バーバリー表記の製品で、表示者が三陽商会」という組み合わせのときだけです。

つまり、この1枚から二つの独立した結論が出ます。

  • 洗濯表示が旧JIS → 2016年11月30日以前
  • バーバリー表記の製品で、表示者が三陽商会 → 2015年6月末以前

由来のまったく違う二つの制度が、同じ方向を指しています。根拠が二つ重なると、年代の推定は「たぶん」から「そう考えてよい」に変わります。当社が1点ずつ手に取って査定しているのは、こういう確認をするためです。

お手持ちの服のタグが読めない、何が書いてあるか分からないという場合も、写真を1枚お送りいただければこちらで確認します。査定は無料です。

海外で作られた古着にも、この方法は使えますか?

使えません。ここまでの方法は、日本の法令にもとづく表示が付いている服にしか効きません。日本国内向けに販売されていない服には、日本の表示義務が及ばないからです。

米国向けのケアラベル。英文の指示と絵表示、RN・CA番号が並び、和文がない
米国向けのケアラベル。左に絵表示が並んでいるが、指示はすべて英文で日本語がない。左下に印字されているRN・CAで始まる番号は、米国とカナダの事業者登録番号|当社買い取り品

現地で買い付けられた古着や、並行輸入品はこちらのタイプです。絵表示が並んでいても、それが日本の新JISとは限りません。ISOやアメリカの表記であれば、2016年12月という線引きは当てはまりません。

見分け方は単純で、タグに日本語の組成表示(「表地 ポリエステル100%」など)と日本の表示者名があるかどうかです。無ければ日本国内向けではないので、別の手がかりを探すことになります。

もう一つ、断定の強さが方向によって違うことも知っておいてください。旧JIS固有の形が写っていれば「2016年11月以前」は確定です。一方、ISOと同じ記号が並んでいるだけでは「2016年12月以降」は確定しません。JIS L 0001 の記号は ISO 3758 と同じ図柄で、規格そのものは2014年に制定されています。海外ブランドが2016年より前から日本向け製品にISOの絵表示を付け、日本語の組成表示を併記していた可能性が残るためです。

革製品にも使えますか?

使えません。家庭用品品質表示法で「繊維製品」として表示が義務づけられているのは、糸・生地から衣類・寝具・カーテンまでの38品目です。革製・合成皮革製の衣料、かばん、靴は繊維製品ではなく、別の区分(雑貨工業品)として扱われます。

そのためレザージャケットや革コートには、JIS L 0001 の洗濯表示がそもそも付いていないことがあります。付いていない以上、ここまでの方法は最初から効きません。ムートンやスエードも同じです。

革製品の年代は、ブランドのタグ、金具の刻印、裏地の仕様といった別の手がかりから推定することになります。

ブランドのタグは、どう使えばいいですか?

洗濯表示で範囲を絞ったあとの、補助として使ってください。順番を逆にすると間違えます。

ブランドのタグから年代を読む方法は、たしかに存在します。ロゴの書体、タグの色数、縫い付け方、製造国の表記などが、時期によって変わっているブランドは多くあります。

ただし注意点が二つあります。

一つは、その情報の出典がはっきりしないことが多いことです。ブランドが公式に「何年から何年まではこのタグでした」と発表している例はほとんどなく、流通している情報の多くは中古市場で積み上がった経験則です。経験則が間違っているとは限りませんが、法令の切り替え日ほどの確かさはありません。

もう一つは、タグは在庫として残ることがあることです。仕様が切り替わった直後も旧タグの在庫が使われることがあり、境目の数年はきれいに割り切れません。

だから当社では、まず洗濯表示と表示者名で範囲を出し、そのうえでブランドのタグを見て「この範囲の中でどのあたりか」を詰めます。範囲の外に出る結論が出たときは、どちらかの読みが間違っていると考えて見直します。

年代が分かると、買取価格はどう変わりますか?

当社の取扱いでは、同じブランドの同じアイテムでも年代によって金額が大きく変わります。これが、年代の確認を省略しない理由です。

古着の価値は「そのブランドが有名かどうか」ではなく「いま、その一着を探している人がどれだけいるか」で決まります。特定の年代にしか作られなかった仕様、その頃の生地や縫製、当時のロゴ。探している人はそこを見て探しています。年代が分からないまま「ブランドで一律いくら」と値段を付けると、探されている一着を安く見積もることになります。

当社の査定はブランド → アイテム種別 → 年代(タグ) → 状態の順で行います。3番目に年代が入っているのは、そのためです。詳しくは査定基準をご覧ください。

逆に言えば、お手元でタグを確認する必要はありません。年代を読むのはこちらの仕事です。タグが色あせて読めない、切れかかっている、といった状態でも構いません。そのままお出しください。

ただしタグが切り取られていて、ブランドを特定できなかった場合は、値段がつかないことがあります。その場合も、まとめてのお引き取りは無料で承っています。

よくあるご質問

Q. タグが切り取られていても年代は分かりますか?
A. 分かる場合があります。洗濯表示のタグと、ブランドのタグと、サイズのタグは別々に縫い付けられていることが多く、一つ切れていても他が残っていることがあります。ただしすべて切れていてブランドを特定できない場合は、値段がつかないことがあります。その場合もまとめてのお引き取りは無料です。

Q. 洗濯表示が新しければ、古着として価値は低いのですか?
A. そうとは限りません。年代は価格を決める要素の一つで、新しいほど安いというものではありません。近年の製品でも、人気の高いモデルや状態の良いアウターは値段が付きます。

Q. 改正をまたいだ時期のものは、どちらの表示になりますか?
A. 改正日以降に表示されたものが新しい表示です。ただしどちらの改正にも経過措置があり、2024年の改正では令和7年8月19日までに従前の表示を行った製品はそのまま販売できます。境目の前後は両方が流通するため、ピンポイントの月を当てる用途には向きません。

Q. 海外の古着は年代が分からないということですか?
A. 日本の表示からは分からない、ということです。製造国の表記、ブランド固有のタグの仕様、素材や縫製の特徴など、別の手がかりを組み合わせて推定します。

Q. 自分で年代を調べてから売ったほうが高くなりますか?
A. 変わりません。年代の確認は査定の一部として当社が行います。お客様に調べていただく必要はありませんし、調べた結果を申告いただいても金額の付け方は同じです。

タグが読めなくても、そのままお出しください

年代の判定は、こちらの仕事です。タグが色あせて読めない、ブランドが分からない。どちらも問題ありません。タグが切れている場合は値段がつかないことがありますが、それでもご自身で外さず、そのままお出しください。縫製や刻印から特定できることがあります。

お手元の服がいくらになるかは、買取実績をご覧ください。金額の決め方は査定基準にまとめています。買取方法は宅配買取(全国)、出張買取(長野県全域)、店頭買取(松本市・予約制)の3つからお選びいただけます。

この記事の出典

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